ステンレス容器総合カタログ
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■ 耐熱温度は、低温は-273℃から高温は700~800℃が目安です。(ただし、高温は連続使用ではありません) ■ 熱膨張率が大きいので、製作時に熱歪みを抑える加工方法の工夫が必要です。加熱すると蓋などが歪みます。ステンレス鋼とは鉄にクロム約11%以上を含ませ、 表面に不動態被膜(酸化皮膜)を作ることで耐食性を向上させた、 錆びにくい鋼です。ステンレス鋼板を選定する時に、特に注意する点です。■ ステンレス鋼は塩素や強酸、温度の高い強アルカリの環境では腐食が発生します。また、溶接の熱影響を受けたところが、腐食割れや粒界腐食をおこす事があります。これらの対策としては溶接部分を仕上げ加工する事や、SUS316Lのような耐食性とローカーボンによる耐粒界腐食性の良い材料を選びます。ステンレス鋼は300℃以上になると薄い金色に表面が変色(酸化)します。これをテンパーカラーと言いますが、使用上の問題は特にありません。一覧表以外のデータにつきましては、当社にお問い合わせください。 ※この耐食性一覧表は一般的な参考データであり、 使用条件、環境により変わることがあります。ステンレス鋼は環境に優しい材料で、最近ではファイバードラムからステンレス容器への移行も増えてきています。 当社ではリサイクル資源として、業者に依頼して引き取って頂いています。 304○○×××××アルコールエーテル濃アンモニア水酪酸重炭酸ソーダ食塩(乾)酢316○○×××××希硝酸(10%)濃硝酸無水酢酸乳酸(5%)硫酸(5%)塩素ガス(湿)塩素水304△××××××316△××△×××304×××○△316×××○△材料の選び方①SUS304 当社では標準材として使用しています。 最も一般的に使用されている鋼で家庭用品から原子力まで幅広く使われています。 耐食性に優れ、延性に富み、深絞り、曲げ加工に適しています。 食品設備や一般科学設備、建築材料、製紙工業、車両工業、厨房器具などに使われています。②SUS316 304より海水をはじめ各種中性塩化物(NaCl、K2SO4等)環境で優れた耐食性を発揮し耐孔食性にも優れています。 石油化学工業、染色工業、繊維工業、食品工業などに使われています。②SUS316L SUS316をより低炭素鋼にし、さらに耐食性、耐孔食性を向上した鋼です。溶接後の固溶化熱処理が困難なものに適しており、主に製薬、半導体向けに使用されています。塩酸酸化第二鉄臭素水酸化ナトリウム(10%)水酸化ナトリウム(30%)素材の表面仕上げ①BA仕上げ当社の標準材として使用しています。 冷間圧延後、光輝熱処理を施したもので美しい光沢を持っています。 ②2B仕上げ 冷間圧延後、熱処理等の処理を施した後、適当な光沢を得る程度に軽い冷間圧延して仕上げたもので表面は白っぽい光沢を持っています。○ 問題がない  △ わずかに腐食する × 腐食が大きいNITTO KINZOKU KOGYO 115ステンレス鋼の種類 ステンレス鋼の注意点 ステンレス鋼の耐食性 ステンレス鋼は100%リサイクル可能技術資料ステンレス材料

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